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gonta
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男性
職業:
学生
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飲酒
自己紹介:
もうどうせだったらやってしまおう!!!
というわけでこんなんになりました。
まあ、我慢して下さい。
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うつろい、それは虚構。
眠り、それは夢。
存在、それは現実。
意識、それは、、、何?


最終電車が終わり次第駅は静かに休息につく。
また明日、人々が芽吹くまでの短くて長い時間。
それは人の死に近い感覚を彷彿とさせる。
実際そうなのかもしれない。
身を投げる、という事故で毎日と言っても過言ではない程、頻繁に電車が止まっている。
弾丸と化した鉄のカタマリとの衝突。
それは身体にも、記憶にも刻まれる事だろう。
死を以て最後としても、その瞬間の記憶は忘れる事ができない。
彼らはそう言った。

ここは、狭間。
男は言う。
現実であり、虚構である。
女も言う。
ここは、狭間。
噂も幻も、現実に為り得る。
子供も言う。
ここは、狭間。
何がしたいの?
老人も言う。
ここは、狭間。
私らも手伝おう。 

そして私も言う。
コここは狭間。
幻は幻の役目を。 

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回る。
廻る。
クルクル廻る。
大きな塊。
肉のカタマリ。
廻る力に耐え切れられずに
離れる、散らばる
朱肉の肉が。
辺り一面香る臭い。
気絶か死か
失うモノは次に目覚めるまで
わかるものか。
少女の口に笑みがこぼれる。
快楽、空腹。
二本の螺旋が彼女を動かす。
壊れているが故の正気の心。
さあ、今日も彼女の食事が始まる。

 

 

昔バグを意識的に生み出し、操作する一族が存在していた。

それは遺伝子情報が異なる他人よりも、

酷似している同属に重きを置くことでバグの発生を固定するというモノであった。

類稀なる力を手に入れる代わりに一生は儚い。

予め定められている破滅の道を知りながらも

この一族は幾度となく繰り返していく。

何度も何度も、、、。

その行為が一族の中でありふれた事になった時、

異変が起きた。

ある双子が血の契を交わした所、一人の子供を授かったわけだが

成人の儀を執り行ってから成長の気が感じられなくなってしまった。

一族は短命という長い呪縛から解放された、と喜んでいたのも束の間

その子供は一族を一人一人殺し始めていった。

そして、残ったのはその子供一人のみであった。

 

 

 

 

 

 

 

 


そのばばあが目の前に突っ立っている。

「おいばばあ、なんでココにいるんだよ!!!」

なぜか久しぶりに会ったはずなのに、懐かしい気持ちが全くしない。

卒業してから何年か経った後会った旧友のように、

時間という概念を一掃してくれる雰囲気がお互いの間に存在していた。

「いやあ、記憶(あたし)だけ残っちまってねえ。」

からからと笑いながらばばあは言った。

死んでから十何年も経っている、なんで今目の前に現れたんだ、、、。っていうか

「私が亡骸みて大泣きしてた姿も見てたって事か!?」

ばばあが死んだ時、私は不覚にも大声で泣いてしまった。

周りの親族がすごいびっくりして集まって来た事を今でも覚えている。

「はっはっはっ、まさか感情の乏しかったあんたがあそこまで泣くなんてなー。

思いっきり隣で笑わせてもらってたわ。ま、今のあんたの性格と服装にもだいぶ笑ったけどな。」

「別に私の趣味なんだからいいじゃないっっ!!!」

昔からこの人は一言多いんだよな、憎めないけど。

「ん、でもなんでばばあの存在が私にわからなかったんだ?」

「そりゃあ年季が違うからね、曲がりなりにも同じ仕事やっていて年はとってないさ。

そもそもあんたになんかばれたら商売あがったりだよっ。

おかげで今もこうしてあんたの目の前で問題なく話せてるしなー。」

相も変わらず元気だ、ふとそんな事を思ってしまった。

 

「とにかく、今日はあんたにお願いがあってやってきたんだよ。」

ばばあが急にまじめな顔つきになった。

「どーいう事?」

「あんたに記憶が分離するって原理を教えたよなー。」

「ああ、大概人が死んだ時には魂から記憶が離れてしまうってやつだろ?

その時一定以上の記憶が離れてしまうと、だいたい浮遊霊か自縛霊になっちまう。

でも大概悪意はないからほっとけっていう話だったよな?」

「そうそう、魂の予備としての救済処置ってやつだね。

だから、あたしも記憶として存在してるうちは色々楽しんで、

消滅するまでのんびりしていようと思ったんだけどねー。

ちと器の方に問題が起きちまったらしくってな。」

「げっ、まさか?」

「そ、器探してくれないか?

何ヶ月か探しているんだけれど見つからなくってなー、そろそろ飽きてきたんだよ。

あんたの体質を持っていたらあたしも楽なんだけどねー。」

「め、めんどくせー!!!!!

だいたい報酬はどうするんだよ?ばばあ何も持ってねーじゃんか。

基本的に同業者の場合の依頼は等価交換が決まり事だろ?例え、浮遊霊だったとしてもさ。」

「あんた、あたしに似てきたねー。少しくらいはサービスしなさいよ。」

「決まりは決まりだからしょうがねーじゃん!!俺もただ働きはごめんだし。」

「じゃあ見つかるまでの間、あたしがまたあんたの師匠って事でどうだい?

悪くない話だろ?」

う、確かに。十数年経った今でもばばあをまだ超えてはいない。

独学でやってきたからな、そういった面では確かにおいしい話だ。

「、、、分かったよ。」

しぶしぶながら俺は頷いた。

「んじゃ依頼成立って事だ。しばらく厄介になるよっ。」

そういうとばばあはいつの間にか契約書を取り出していた。

俺は右親指を出して印を押した。

その瞬間、契約書は成立とみなし俺の右手を覆い紋を刻み始める。

何回やってもこれだけは慣れないな、、、

そんな事を思っていると右手の違和感が取れ始めた。

「契約終了っと。」

右手を下ろす、と同時にしごきが始まる事に対しての多少の後悔が心の中に浮かんできた。

「そうそう、あんたさー。」

これからどうしようかと悩んでいる俺にばばあが話しかけてくる。

「素に戻ってたよっ。女のレベルとしてもまだまだだねーっ。」

 

 

うるさい!!!

‐身の回りのモノは全て一(いち)に回帰する。


ソレがおばあちゃんに教えてもらった最初の、常の世の原理だった、、、。


まるで、渇いた身体を潤す水のように

私の世界は急激に広がりを見せ始めた。


見えないモノも視えるようになった。

「人は死ぬと記憶と魂に分離するのさ。
魂はまた新しい器に入るだろう。
だけど、記憶は違う。
現世のしがらみの方が強いらしくてなー、そのまま居座っちまう事が多いんだ。」

視えるようになって困った私に、おばあちゃんはこんな事を言いながら憑きモノを追い払ってくれた。

遅かれ早かれこんな状態になっていたろう。
だったらあたしの生きているうちに慣れていかなきゃな。

おばあちゃんは笑顔で私に言った。

静寂な闇を恐れているかのように自らの存在を証明し続けている。

集団でしか思ったとおりに動けない、まるで君達のようだね。

そんな事を語りかけているのだろうか。

対をなすように

自分達以外のモノを阻むように

永遠とも言えるこの時間の中、命を削る事で生きている。





そんな駅のホームの外灯(笑)
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