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■あらすじ
とある事(こっくりさんとか)によって学校で鬼(狐とか)を召喚してしまった。
どうやら帰ってもらうには三日間クラスメートの中から鬼(狐とか)をみつけないといけない。
見つけられないと、友人の魂が持っていかれてしまう。
しかし、どの友人に入っているか分からない。
どうする?
■設定
一日一回ヒントがもらえる。
古来の妖怪類なのでヒントは歌か句。
鬼を当てる時は何かキーワードを発する。(間違った時はペナルティ。一回試しにクラスで飼っている動物に試したが発火して死んでしまいクラスで問題になってしまった。)
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口一杯に広がる鉄の味。
噛んでも噛んでも噛み切れない赤い塊、喉につっかえる。
苦しくて涙が止まらない。いや、苦しいだからだけじゃない。
なんで、、、なんでこんなの食べなきゃいけないの?
「どう、彩香?もう慣れた?」
お母さんが少し心配そうに言った。
「何言ってんだ、綾子。もう彩香は大人なんだからきちんと食べなくちゃだめだよ。」
お父さんが何か言っている。
「しょうがないって父さん、俺も一番最初は滅茶苦茶きつかったんだから。おーい、彩香大丈夫か??」
お兄ちゃん、そんな楽しそうに私を見ないで、、、。
飲み込む事なんてできない。喉の奥から湧き出る嘔吐感と共に、口に含まれているモノを思わず吐いてしまった。
「だめじゃないか、出したりしちゃ。」
お父さんが吐しゃ物を掴み、また私の口に塊を突っ込む。
この繰り返しをもう何回繰り返したんだろう、、、。
私はまだ一塊しか食べる事ができなかった。
「気持ちは分かるわ。私も最初お父さんをすごい恨んだもの。」
「母さんなんかまだいいよ、俺なんて高2の時だぜ。何が何やらわからないうちに食わされてさ、その場ですげー吐いたもん。でも、食べてくうちになんか背徳感っていうの?だんだんそんな気持ちが出てきて、食べれんじゃねって思ってきて全部食べたし。」
「おいおい、直哉の方が分かってるんじゃないのか。」
目の前で皆が笑っている。
私は悔しさと悲しさで一杯だった。でも私の身体を震えさせているのは違うものだ。
家族に対する恐怖。
「俺こっちの趣味ないんだけど見てたら食いたくなっちまった。一口もらうぞ、彩香。」
お兄ちゃんが近づいて来てひょいと散らばっている小さな塊を手に取り口にほおばった。
「お、いけるんじゃん。ずっと同じ味だったから飽きてたんだよな、俺。やわらかいのもいいんだけどさー、たまには固めなのもいいかもな。」
「もう、直哉困らせないで。貴方がそっちの道に走ったら近所の人に何を言われるかたまったもんじゃないわ。お向かいの佐藤さんの息子なんて見る度に違う男の子を家に連れて来てるのよ。どうやって育てたのかしら。」
「綾子、直哉、そのくらいにして彩香に食べさせないと。綾香、時間が経つと鮮度が落ちるから早く食べなさい。」
「せっかくお前が初めて連れて来た彼氏を殺したんだから。」
事実を知って皆の言っている事が分からなくなっても、その言葉だけはしっかり私の耳に届いてしまう。
「足なんて旨いんだぞ、筋肉が引き締まって噛めば噛むほど味が染み渡るんだ。特に指の骨回りの部分の肉なんていいぞ。」
お父さんがそういいながら細切れになった足の肉を渡そうと掴んだ。
もう、諦めよう、、、、。
食べるしか私に道は残されていない。
こんな事知っていたら家に連れてなんか来なかったのに、、、。
「でも思い出してみると俺の最初の彼女も旨かったなー、いい具合に脂が乗ってて。最初に食うのが初めてできた彼女っていうのはきつかったけど。食った後すげーへこんだもん。」
「直哉なんてまだいいわよ。私なんて嫁いできたから初めてできた子を食べないといけなかったんだもの。我が子を食べるのは、それはもう身を引き裂かれる思いよ。」
お母さんとお兄ちゃんはまだ話している。
お父さんが私に近づいて足の肉を渡してきた。
「ほらほら、彩香食べなさい。」
いつも見るお父さんの笑顔。
今では、それさえ恐怖に感じてしまう。
私は黙ってお父さんが持っている足の肉を受け取り、食べる前に呟いた。
「瞬くん、、、、、、ごめんね。」
噛んでも噛んでも噛み切れない赤い塊、喉につっかえる。
苦しくて涙が止まらない。いや、苦しいだからだけじゃない。
なんで、、、なんでこんなの食べなきゃいけないの?
「どう、彩香?もう慣れた?」
お母さんが少し心配そうに言った。
「何言ってんだ、綾子。もう彩香は大人なんだからきちんと食べなくちゃだめだよ。」
お父さんが何か言っている。
「しょうがないって父さん、俺も一番最初は滅茶苦茶きつかったんだから。おーい、彩香大丈夫か??」
お兄ちゃん、そんな楽しそうに私を見ないで、、、。
飲み込む事なんてできない。喉の奥から湧き出る嘔吐感と共に、口に含まれているモノを思わず吐いてしまった。
「だめじゃないか、出したりしちゃ。」
お父さんが吐しゃ物を掴み、また私の口に塊を突っ込む。
この繰り返しをもう何回繰り返したんだろう、、、。
私はまだ一塊しか食べる事ができなかった。
「気持ちは分かるわ。私も最初お父さんをすごい恨んだもの。」
「母さんなんかまだいいよ、俺なんて高2の時だぜ。何が何やらわからないうちに食わされてさ、その場ですげー吐いたもん。でも、食べてくうちになんか背徳感っていうの?だんだんそんな気持ちが出てきて、食べれんじゃねって思ってきて全部食べたし。」
「おいおい、直哉の方が分かってるんじゃないのか。」
目の前で皆が笑っている。
私は悔しさと悲しさで一杯だった。でも私の身体を震えさせているのは違うものだ。
家族に対する恐怖。
「俺こっちの趣味ないんだけど見てたら食いたくなっちまった。一口もらうぞ、彩香。」
お兄ちゃんが近づいて来てひょいと散らばっている小さな塊を手に取り口にほおばった。
「お、いけるんじゃん。ずっと同じ味だったから飽きてたんだよな、俺。やわらかいのもいいんだけどさー、たまには固めなのもいいかもな。」
「もう、直哉困らせないで。貴方がそっちの道に走ったら近所の人に何を言われるかたまったもんじゃないわ。お向かいの佐藤さんの息子なんて見る度に違う男の子を家に連れて来てるのよ。どうやって育てたのかしら。」
「綾子、直哉、そのくらいにして彩香に食べさせないと。綾香、時間が経つと鮮度が落ちるから早く食べなさい。」
「せっかくお前が初めて連れて来た彼氏を殺したんだから。」
事実を知って皆の言っている事が分からなくなっても、その言葉だけはしっかり私の耳に届いてしまう。
「足なんて旨いんだぞ、筋肉が引き締まって噛めば噛むほど味が染み渡るんだ。特に指の骨回りの部分の肉なんていいぞ。」
お父さんがそういいながら細切れになった足の肉を渡そうと掴んだ。
もう、諦めよう、、、、。
食べるしか私に道は残されていない。
こんな事知っていたら家に連れてなんか来なかったのに、、、。
「でも思い出してみると俺の最初の彼女も旨かったなー、いい具合に脂が乗ってて。最初に食うのが初めてできた彼女っていうのはきつかったけど。食った後すげーへこんだもん。」
「直哉なんてまだいいわよ。私なんて嫁いできたから初めてできた子を食べないといけなかったんだもの。我が子を食べるのは、それはもう身を引き裂かれる思いよ。」
お母さんとお兄ちゃんはまだ話している。
お父さんが私に近づいて足の肉を渡してきた。
「ほらほら、彩香食べなさい。」
いつも見るお父さんの笑顔。
今では、それさえ恐怖に感じてしまう。
私は黙ってお父さんが持っている足の肉を受け取り、食べる前に呟いた。
「瞬くん、、、、、、ごめんね。」
唄を歌っていたのは少女と同じくらいの少年だった。
前髪は切り揃えており、そのまま横・後ろ髪は肩にかかる程度。
服は時代に似合わぬ着物を上品に着こなしていた。
少年の口から言葉が飛び出す度に、足元の円形のモノが呼応して様々な色の光を発する。
円の内部には文字がしっかりと書き込んであり、それらもごくたまに唄に反応しリズムを形成していた。
「ねえ、君の唄きれいだね。」
少女がそう言うと少年は唄を歌うのをやめ、彼女の方に目線を落とした。
「ありがとう、そう言われると、、、嬉しいな。」少年は淡々と言葉を紡ぐ。
「初めまして、ボクの名前はサト。君の名前は?」
「私の名前は初花(ういか)よ。」
歌っていた主が自分とそう大差ないのが分かって安心したせいか、
もしくは先程のサトと彼を取り巻く光との美しい調和に心を奪われたせいか、
少女が最初に味わった恐怖はもうすでに消え去り、むしろサトに対する親近感が彼女の心の中を占めていった。
かごめかごめ
かごのなかのとりは
いついつでやあう
よあけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめんだあれ
そう誰かが唄っているのを少女は耳にした。
そんなはずはない、現に今いる所は営業を終えた店内なのだから。
亭主であるおじいちゃんは今碁をテレビのあるお部屋でやっていたし、
お母さんは今晩ご飯を作っているし、
この広い店内でいるのは商品の人形で遊んでいる私だけ、なはずだった。
でもきれいな唄。
恐いと思うけれど覗いてみようかな。
少女はそう思い、自分のいる店の奥側から唄の出所へと近づいて行った。
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